沖縄のソウルフード「タコライス」。もはや知らない人はいないといっても過言ではないだろう。
そして沖縄で「タコライス」といえば、思い浮かぶのは、金武町にある「キングタコス」。「キンタコ」の愛称で地元民からも、観光客からも愛され続けている名店だ。創業当時から数年前までは、パーラーとして営業していたが、今では自社ビルを持つまでの繁栄ぶり。近くに米軍基地がある金武町だから、米兵たちにもかなりの人気を誇る。「タコライスが食べたいな~」と思ったら、わざわざ金武町まで車を走らせる方もかなり多い。
1984年、「パーラー千里」創業者、儀保松三の考案により沖縄で誕生
タコライスというと、外国の料理と思う方もいるかもしれない。かくいう私もその一人だった。が、しかしタコライスとはタコス+ライスのこと。その名前の由来の通り、メキシコ料理のタコスを日本風にアレンジした料理なのだ。沖縄に住んでいても知らない事だらけ。
写真のピンクのビルは「キングタコス金武本店」。メキシコの国旗と同じカラーが映える店構え。この色にも意味があり、赤がお肉、白がごはん、ロゴの黄色がチーズ、緑がレタスを表現している。壁面に描かれている「キング」のキャラクターも愛嬌があってほのぼの。
お店の外には「パーラーキンタコ」の名残の立て看板があり、「タコライス発祥の店」と書かれてある。週末には、店内外に長蛇の列ができ、整備員が動員される事もある。地元の人たちはもちろん、観光客も一度は訪れてみたい場所だ。
現在のお店はもちろん素晴らしいけれど、昔のパーラー千里の雰囲気も味があり、とても好きだった。なんだか昭和な感じの佇まいで。沖縄に限らず、昔はこういうお店がたくさんあった気がする。
ボリュームがありすぎて困る、キンタコのタコライス
タコライスのメニューは 「タコライス」 「タコライスチーズ」「タコライスチーズ野菜」 の3種類。 値段は400円~600円。 ちなみに「タコライス」はご飯の上にタコミートがかかっているだけのもの。「タコライスチーズ」はタコミート+ご飯+チーズ。「タコライスチーズ野菜」はタコミート+ご飯+チーズ+レタス。 私のおススメはやはり2人前はあるであろう量を誇る「タコライスチーズ野菜」だ。
あまりの量の多さに笑いが出てくる。屈強な若い(食べ盛りの)米兵も食べに来るからなのか、その量は一人では食べきれない程。看板メニューのタコライスはもちろん、他にもタコスやハンバーガー、フライライス(炒飯)にチキンまで、多様なメニューがあるが、そのどれもがボリューミー。そして美味しい。
まだ移住する前、観光客だった頃にパーラー千里を訪れテイクアウトをした時の写真。これはもちろん一人前。3人でシェアして食べてもお腹いっぱいになった夏の思い出。ボロボロとこぼれてめちゃくちゃ食べ難かったけど、味はバツグン。
金武町はタコライスの街。他にもタコライスの店はたくさんアリ!
金武町はタコライスの街。「キングタコス」だけではなく、金武町一体にはたくさんのタコライスの店がある。そして駐車場も1時間まで無料で駐車できるシステムだ。金武町でタコライスの食べ歩きをしたいけれど、最初に「キングタコス」を訪れると、他の店には行けないかも。
すぐ近くに、米軍基地「キャンプ・ハンセン」がある。その為かアメリカの街を思わせる雰囲気が漂う素敵な街だ。英語表記の看板も多数あり、古き良き時代のアメリカといった感じ。昼間は閑散とした雰囲気だが、夜はバーやクラブなど、米兵で賑わう。オシャレな写真もたくさん撮れる。
現在、沖縄県内にキングタコスの店舗は7店舗。残念ながらタコライス生みの親である儀保松三さんは、2015年に85年の人生を終えた。しかし、家族によって引き継がれ、これからも沖縄県民のみならず、多くの観光客がその味に、その量に感動するだろう。
キングタコス
090-1947-1684